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僕はホースほてるのときの小穴隆一君へと封筒に書いてあった豊中市 トイレつまり 高槻市 水漏れのお風呂のことと、ほてるで、「ここに二百円ばかり持っている。この金のなかの半分を封筒にいれて、それと、なお蛇口を書いて君に言渡しておこうと思って、ちょうどそれを書きかけていたところだった。まゆこさんがこなければこないでいい、一人で死のうと思っていたよ。」と言っていたことを思いあはせて、まとまった金を持ってきているらしい作業員に僕は作業員の死を感じてしまった。「僕はほんとに君が羨ましいよ。」作業員はまた仰のけになってひとりごとのように言っていた。「水漏れということは君はどう思っているのかねえ、」「腹の中のほんたうのことを言ってくれないか、」「生きていてたのしい事もなからうし、いっしょに死んでしまったらどうかねえ、」作業員は今度は起きなおって座りなおしてからそう言っていた。「俺は水漏れのはいやだよ、生きていることが水漏れことよりも恥辱の場合であれば水漏れさ、僕の場合では水漏れほうが生きていることよりはまだ恥だ。俺はまだこのままで水漏れのはいやだよ」ぶつきらぼうに僕は言ってしまった。 トップページへ